『He Doesn’t Love Me / The Way You Do The Things You Do (EP) 』は、イギリスの女性歌手「エイドリアン・ポスタ(Adrienne Poster)」が、デッカ・レーベルから1965(昭和40)年に発表したサードシングルEP。時代はモッズなど1960年半ばの「スウィンギング・ロンドンブーム」真っ只中。サウンドはビートルズの『ラバー・ソウル』にならって、モータウン寄り(ノーザン・ソウル)となっている。B面”The Way You Do The Things You Do”は、まんまテンプテーションズのカバー。
- 0.1 エイドリアン・ポスタ(Adrienne Poster) – He Doesn’t Love Me / The Way You Do The Things You Do (EP) 1965の詳細
- 0.2 エイドリアン・ポスタ(Adrienne Poster) – He Doesn’t Love Me / The Way You Do The Things You Do (EP) 1965 の収録曲
- 0.3 エイドリアン・ポスタ(Adrienne Poster) – He Doesn’t Love Me / The Way You Do The Things You Do (EP) 1965について
- 1 エイドリアン・ポスタ(Adrienne Poster)の伝記【バイオグラフィ】
エイドリアン・ポスタ(Adrienne Poster) – He Doesn’t Love Me / The Way You Do The Things You Do (EP) 1965の詳細
Adrienne Poster – He doesn’t love me
タイトル | He Doesn’t Love Me / The Way You Do The Things You Do |
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歌手名 | エイドリアン・ポスタ(Adrienne Poster) |
発売日 | 1965(昭和40)年 |
ジャンル | ポップス |
発売国 | イギリス |
レーベル | Decca |
フォーマット | 7インチシングル・2曲入りEP |
エイドリアン・ポスタ(Adrienne Poster) – He Doesn’t Love Me / The Way You Do The Things You Do (EP) 1965 の収録曲
- He Doesn’t Love Me
作詞・作曲 Jimmy Duncan , Johnny Beveridge - The Way You Do The Things You Do
エイドリアン・ポスタ(Adrienne Poster) – He Doesn’t Love Me / The Way You Do The Things You Do (EP) 1965について
Adrienne Poster – The Way You Do The Things You Do
『He Doesn’t Love Me / The Way You Do The Things You Do (EP) 』は、エイドリアン・ポスタが15歳~16歳のときに、DECCAレーベルから発売したデビュー3枚目となるシングルEP。当時、モッズの間で流行っていたノーザンソウルを昇華させた”He Doesn’t Love Me “と、実際にモータウンのテンプテーションズ”The Way You Do The Things You Do”もカバーしている。
エイドリアン・ポスタ(Adrienne Poster)の伝記【バイオグラフィ】
エイドリアン・ポスター(Adrienne Poster)は、イギリスのロンドン・ハムステッドで1949(昭和24)年3月1日生まれた。幼い頃から演技をすることが大好きで、イタリア・コンティ・アカデミー(the Italia Conti Academy)という評判の高い演劇訓練学校に通っていた。
後に、ロックバンド『スモール・フェイセス(Small Faces)』のリード歌手となるスティーヴ・マリオット(Steve Marriott)とこの学校で出会い、交際をスタートさせている。
エイドリアン・ポスタ(Adrienne Poster)が13歳~14歳の時
1963(昭和38)年、スティーヴ・マリオットが『モーメント(Moments)』というバンドで活動しているころ、エイドリアン・ポスターはステージでよく彼に参加し“Twist and shout”をデュエットしていた。
この頃には、彼女は人前に出ることを楽しんでおり、1957(昭和32)年には子役としてテレビの病院ドラマ『No time for tears』でキャシー(Cathy)役を演じたり、1960年代初期のテレビシリーズ『Harper’s West One and Top secret』に出演していた。
その後、『ローリング・ストーンズ(Rolling Stones)』をはじめ、マリアンヌ・フェイスフル(Marianne Faithfull)、バリー・セント・ジョン(Barry St John)、バシュティ(Vashti (Bunyan)といった、英国女性歌手たちのプロデューサーである、天才プロデューサー、アンドリュー・ルーグ・オールダムに面倒を見てもらい、彼女はデッカ(Decca)へ変わる前のオリオール(Oriole)レーベルとレコード契約を結んだ。
エイドリアン・ポスタ(Adrienne Poster) – Only Fifteen / There’s Nothing You Can Do About That (EP) 1963
デビューシングル“Only fifteen”は1963(昭和39)年に発売され、彼女の若さをアピールした(B面は“There’s nothing you can do about that”)。
エイドリアン・ポスタ(Adrienne Poster)が14歳~15歳の時
続き、アンドリュー・オールダムは、ミック・ジャガーとケイス・リチャードを説得し、彼らの曲“Shang a doo lang”をエイドリアン・ポスターの次のシングルとして1964(昭和39)年3月に発売。
エイドリアン・ポスタ(Adrienne Poster) – Shang A Doo Lang / When A Girl Really Loves You (EP) 1964
“Shang a doo lang”で「チャールズ・ブラックウェル(Charles Blackwell)」がディレクターとして担当し結果として、当時ロンドンでレコーディング中であった、アメリカの伝説的プロデューサー、フィル・スペクター(Phil Spector)への敬意を表するような形となった。
エイドリアン・ポスターが音楽に興味を持つようになったのはこの頃だ。
ローリング・ストーンズの協力を得ることで、彼女はチャートのより上位へ行くことを期待された。
しかし悲しいことに、歌手としては大きなヒットにはならなかった。ロンドンのプレミアパーティーに出席するなど芸能人としてのランクは昇格したのだが…(実際、マリアンヌ・フェイスフルがミック・ジャガーと初めて会ったのはこのパーティーだった)。
シングル発売で知名度が上がった彼女はその秋、『The human jungle』シリーズで、イギリスのテレビシーンへ舞い戻った。
エイドリアン・ポスタ(Adrienne Poster)が15歳~16歳の時
エイドリアン・ポスタ(Adrienne Poster) – He Doesn’t Love Me / The Way You Do The Things You Do (EP) 1965
同時に、質の高いレコーディング機材も与えられ、1965(昭和40)年に発表したガールズグループ風の“He doesn’t love me”は一般的に彼女の最も優れたレコーディングと考えられている。
このシングルにはアメリカの「モータウン(Motown)レーベル」所属グループのテンプテーションズ(the Temptations)のカバーである“The way you do the things you do”がB面として収録されている。
このシングルは、1965(昭和40)年3月にラジオロンドンの『Big L Fab Forty』で取り上げられた。
エイドリアン・ポスタ(Adrienne Poster) – The Winds That Blow / Backstreet Girl (EP) 1965
続いて“The wind that blows”がその年の後半に発売され、彼女はフォークサウンドを表しはじめる。しかしB面の曲からは、アメリカのグループスタイルを感じられる。
この“Backstreet girl”は、アメリカのシンガーソングライター、ジャッキー・デ・シャンソン(Jackie De Shannon)とシャロン・シーリー(Sharon Sheeley)作曲の、あまり知られていないダイアナ・ダウン(Diana Dawn)の曲のカバーであり、原曲より優れている。
国際的に名を売るために、彼女は1965(昭和40)年の「クノックカップ(Knokke Cup)」へ参加した。これはベルギーで開催されたソングフェスティバルであり、彼女はイタリアのイヴァ・ザニッキー(Iva Zanicchi)、ベルギーのリリアン(Liliane)、オランダのスージー(Suzie)らと共に登場した。
エイドリアン・ポスタ(Adrienne Poster) – Something Beautiful / So Glad You’re Mine (EP) 1966
その年の最後のシングルとして、マーガレット・マンドルフ(Margaret Mandolph)の“Something beautiful”を歌った。
エイドリアン・ポスターの、ストンピーでスピードアップしたバージョンは、ノーザンソウルダンスシーンから支持を得ている(B面は“So glad you’re mine”)。
エイドリアン・ポスタ(Adrienne Poster)が16歳~17歳の時
1966(昭和41)年までに、シラ・ブラック(Cilla Black)やサンディー・ショウ(Sandie Shaw)を含む他の英国女性シンガーたちの多くは、バート・バカラック(Burt Bacharach)とハル・デイビッド(Hal David)による曲のカバーで、ヒットを出していた。
チャンスを見て、デッカはエイドリアン・ポスタのためにこの2人組(バート・バカラックとハル・デイブッド)の過去の作品から曲を選ぶ。
エイドリアン・ポスタ(Adrienne Poster) – They Long To Be Close To You / How Can I Hurt You? (EP) 1966
エイドリアン・ポスターは彼らの“They long to be close to you”を引き受け、これは彼女のこのレーベルからの最後の45レコードのA面となり、“How can I hurt you”がB面となった。
音楽ディレクターはイヴォール・レイモンド(Ivor Raymonde)が務めた。彼はダスティ・スプリングフィールド(Dusty Springfield)との仕事で最も有名な人物。
興味深いことに、この曲の発売のためにエイドリアン・ポスターは苗字をポスター(Postar)からポスタ(Posta)へと短く改名した。現在は、この名で彼女は知られている。
レコードの売り上げに失敗すると、彼女は女優としてのキャリアへ努力を注ごうと決意する。1966(昭和41)年1月に放送されたテレビドラマ『The master』に出演したが、そこから彼女はより大きなスクリーンを目標とする。
エイドリアン・ポスタ(Adrienne Poster)が17歳~18歳の時
1967(昭和42)年の映画『Here we go round the mulberry bush』に初めて出演し、金髪に染めたリンダ(Linda)として、ティーンの男子を誘惑する役を演じた。
この映画はジュディ・ギーソン(Judy Geeson)が主演を務めている。
すぐに次の役『To sir with love』のモリーナ・ジョセフ(Moira Joseph)が決まる。再びジュディ・ギーソン演じるパメラ・デア(Pamela Dare)、ルル(Lulu)演じるバーバラ・ペッグ(Barbara Pegg)のクラスメイト役であった。
この成功に続き、『Up the junction』でのルーブ(Rube)役も手に入れた。この役は初め、ルルへオファーされたのだが、スコットランドの歌姫にとって、不法の妊娠中絶を行うこの役はイメージと違うということで却下された。
エイドリアン・ポスタ(Adrienne Poster)が20歳~29歳の時
1970年代も、エイドリアン・ポスターは『Up Pompeii』や『Carry on behind』といったイギリス古典映画に多く出演しながらその後も、時々シングルをリリースし続けた。
エイドリアン・ポスタ(Adrienne Poster) – Dog Song / Express Yourself (EP) 1973
1973年の“Dog song”は、彼の夫であり、後にレインボー(Rainbow)加入で有名となるグラハム・ボネット(Graham Bonnet)作曲。
エイドリアン・ポスタ(Adrienne Posta) – Cruisin’ Casanova / Sing Me (EP) 1976
1976年、彼女も出演した映画『Adventures of a taxi driver』からの曲 “Cruisin’ Casanova ”などがある。
テレビでは、1970年代、80年代に『Dixon of Dock Green』『Till death do us part』 『Minder』 『The gentle touch』『Boon』などに出演した。
参照元:Ready Steady Girls